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sugar pot : 理屈抜きで楽しいのがチョコさ。

ほろ苦い夢のかけらのおすそわけ

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理屈抜きで楽しいのがチョコさ。

2005年09月19日(月) コメント:14 トラックバック:1

   Official

そして、理屈抜きで楽しいのが映画さ。

私のようなタイプの映画好きは理屈を語るのもまた理屈抜きで楽しい。この映画、封切り当日、朝一番とその日のレイトショーと、2回観た。そして、まだ観たい。語るのも全部自分の中に封じ込めたいほど味わいたい。おいしいおいしいチョコレート。

ジョニー・デップが「ロアルド・ダールのこの作品で、監督がティムだった。断る理由なんてない。2つ返事で出演をOKした」と言うのなら、私は「この原作で監督がティム・バートン、主演がジョニー・デップ。観ない理由は何もない」。そして、その期待通り、独特の世界が目の前に繰り広げられた。

ネタバレ困るというひとは、以下は読まないで映画館にどうぞ。


どの場面もひとつひとつの造形、配色が素晴らしい。賑やかな遊園地のようなおもちゃ工場。そういえばチャーリーの父の勤める歯磨き粉工場の「蓋閉めマシン」だってステキでポップだったっけ。

そこにウィリー・ウォンカ。映画でのウィリーは、子どものまま大きくなった大人だ。世界一おいしいチョコレートをつくり、事業家として成功したけれども、大人になりきれていない。いや、後戻りしたというべきか。産業スパイにあって、ひとを信じられなくなったウィリーは長年工場に引きこもって、青白い顔に変な出で立ち、どこか不自然な作り笑い。けっして心を開いていない。

ウィリーは、ある目的をもって世界中から5人の子どもたちを閉ざされた工場に招待するが、これがまた超個性的な5人。そのうちのひとりがチャーリーだ。チャーリーの個性は、「このうえなく貧しいけれどもこのうえなく温かい家庭で愛されてたいせつに育まれた」ということ。

5人はその個性ゆえに試練に遭う。最後に残ったチャーリーに課せられたのは「家族を捨てて工場を一緒にやろう」というもの。だがこれをチャーリーはあっさり断ってしまう。「だって家族は大事だもの」。

「家族」。それはウィリーにとって葬ったはずのものだった。チョコレート工場の王様ウィリーに家族は居ないはずだった。葬った言葉を口にしないでひたすらチョコレートをつくってきたウィリーが、けっして「家族」を葬らないチャーリーに申し出を断られて、おいしいチョコレートができなくなってしまう。

お話はこれから。チャーリーは悩めるウィリーを、ウィリーの父のところに連れていく。町一番の歯医者。良い歯づくりのためには一切の菓子類を息子から取り上げる厳格な父。この父の元からチャーリーは逃げ出して、チョコレートづくりに勤しんだのだ。

診察室には息子がメディアに取り上げられた記事の切り抜きが山ほどあった。壁一面、何冊ものスクラップブック。なんて不器用な父と子なんだろう。ともに愛にあふれもとめていたのに、これだけ長年離れていなければならなかったなんて。不器用な父と子は、ともにゴム手袋をしたまま抱きしめ合う。大人への道の第一歩。

さて、ウィリーは。「理屈抜きで楽しいのがチョコさ。」とステキな言葉を口にしたチャーリーをビジネスパートナーに、チャーリーの家族の一員となる。この家族にはぐくまれて、ウィリーとチャーリーのチョコレートはさらに世界一おいしくなるのだろう。ウィリー、あと女の子と話せるようになるといいネ。今後チャーリーがこの家から外に出ていきたくなるだろうから、その頃がまたターニングポイントかな。

4人合わせて381歳というチャーリーのおじいちゃん・おばあちゃん。安い工賃で働いていた工場すらクビになるお父さん、毎日キャベツの煮汁を家族7人に食べさせなければならないお母さん。けれどチャーリーの家族は、能天気なんじゃないの?と思えるほど否定的ではない。誇りのなせる技か。

年に1枚の誕生日のチョコレートでチケットを外したチャーリーに、なけなしのへそくりを差し出してくれるジョウじいちゃん。当選した黄金のチケットを「売ればお金になる。日々の糧になる」と言うチャーリーに「お金は世の中に一杯あるけれど、そのチケットは世界で5枚しかないんだ。自分のために活かしなさい」と諭すジョージじいちゃん。「いいことはきっとあるわ」というジョセフィーンばあちゃん。そして、現と夢のあいだの住人で居ながら素敵な予言をしたジョージナばあちゃん。4人のお年寄りが、チャーリーを、そして結果的にウィリーをも幸福に導く。やはり知恵のあるお年寄りの言葉は聞くものだ。

子どもを育てるのは、厳しい現実とそれに負けない愛情に満ちた知恵と信念。チャーリーの家族も、ウィリーの父親も、同じようなものを与えたのだけれど、ウィリーの父親は不器用過ぎた。1年に1枚のチョコレートを楽しみにできたチャーリーと、1年に1回のハロウィンに渡された数粒のチョコレートすら許されなかったウィリー。そのおかげでウィリー少年は不器用な父親の言葉に愛情を見出せず、禁止と束縛という直接的なメッセージだけを受け取ってしまった。このくだりは映画独自のものであるが、現代の表層的な子ども可愛がり風潮を揶揄しているようにも見える。いいかい坊や、ものごとはひとつじゃないんだ。与え方受け取り方次第でどんなものでも変わるんだ。

  • それにしても、ティム・バートン色全開のこの映画。プロローグの雪のシーンは「バットマンリターンズ」を彷彿とし、これから始まるお話はどんなだろう、とどきどきさせる。原作を知っていても。
  • ウェビンブログの洵さんが、ウォンカのびっくりお菓子の数々の大半が割愛されたのを原作の前半で丁寧に描かれる「チャーリー少年のチョコレート愛」が表現しきれていなかったのと共に残念がっておられる(「チャーリーとチョコレート工場」)が、どちらも上映時間の関係で割愛されただけで、フィルムには残っているような気がする。特にびっくりお菓子はティム・バートンのこと、すべて忠実に再現したと言われても驚かない。いや実際、つくれなかったとしたらそれは製作時間の限界のように思われる。チョコの鳥になって、時間と空間を駆け抜け、撮影現場を覗きたいものだ。
  • おもちゃ箱をひっくり返したような、お菓子の家のような工場は、「ザ・ナイトメア・ビフォア・クリスマス」でジャックが「クリスマス」を知って躍り出したシーンの背景と言われても違和感のないステキな工場。そしてウンパ・ルンパの歌とダンスは「マーズ・アタック」のトム・ジョーンズを思い出させる。ティム・バートン&ダニー・エルフマン最高!(ウンパ・ルンパの歌とダンスについてはもう観ていただくしかないので、言葉を費やすのは止めておく。実際、ウンパ・ルンパなしにはこの映画はあり得ない!)
    The Oompa Loompas
  • ウンパ・ルンパと「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」。これも爆笑。暑苦しいバンド演奏の図も、どこかの誰かに見えてきて、ロックファンは大笑い。ぁあ「マジカル・ミステリー・ツアー」をティム・バートンにつくらせたい。
  • キューブリックファンにとってもたまらないこの映画。どこかで語られてると思うのだが、そもそもポスターが「時計じかけのオレンジ」に見える。ジョニー・デップがマルコム・マクドウェルに見える。そしてあの部屋。テレビに猿がうつった時点から大笑いしてしまった。チョコレートが現れた時点でそれはピークに達する。アンタ、サイコー、ティム!
  • ともかく音楽が素晴らしい。楽しい楽しいチョコレート工場を更に演出している。試聴はこちらDanny Elfman「Charlie and the Chocolate Factory [Original Motion Picture Soundtrack] [SOUNDTRACK] [FROM US] [IMPORT]」
    サントラ版。一度目に観終わって近所をあちこち探したがどこも品切れ。アマゾンすらも。輸入版は手に入るようだ。
  • ひとりぼっちのウィリー・ウォンカ。奇抜な衣装と遊園地。とある有名ミュージシャンを思い出した。もしも彼にチャーリーのような子どもとの出会いがあったら……。
  • 来月には『コープス・ブライド』。「きれいはきたない、きたないはきれい(シェークスピア)」の世界再び。予告編で観た花嫁は溜め息が出るほど気品があってうつくしい。これまた楽しみでたまらない。
#421
カテゴリ:005 映画・映像

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<<いい加減、目覚めなさい? | MacIEユーザへ愛を込めて(Netscapeユーザも……ね)>>

コメント(-14件)

:さすがsugarさん、濃い

私は単純に原作ファンなのであっさりした感想になっちゃいましたが、監督や映像にも詳しい人はやっぱり感想が濃くなりますね。
私もテレビ・チョコレートの演出には爆笑しました。
そう来たかティム・バートン!
文章だけの原作は想像の余地が大きいので、受け取った人によっては時に視覚を超えてしまうこともあると思います。
つまりはチャーリーのチョコ愛に対する私の受け取り方はティムとは違っていたってことで(笑)
でも工場の前で深呼吸するフレディ君はとってもキュートですよ(>_<*
映画を観終わったあとで原作を読み返すとこれがまた面白い。特に、映画でのウォンカさんの描写の細やかさに改めて感じ入ります。
できれば田村訳の旧版の復活を願いたいところですが…
RPG「キングダム・ハーツ」にも登場した「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」を観たいと思っているのですが、うちの近くのレンタル屋ではどこも貸してないんです。
人気作のはずなのに何故(涙)

  • 2005年09月19日(月)14:33:51
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sugar:>文章だけの原作は想像の余地が大きいので、受け取った人によっては時に視覚を超えてしまうこともある

好きなお話の映画化が怖いのはこの一点につきますね。深呼吸のシーン、厭味がなくて私は好きかな。
映画を観た翌日、ウォンカバーではなかったけれど、板チョコを買ってる私が居ましたよ(元々チョコレート大好きだし)(笑)。オブリスク化したチョコレートも影響したかも(爆笑し過ぎてお腹いたかったです)。
そういえば映画『ショコラ』のときは上演前に製菓会社のCMが大々的に流れたけれど、今回はありませんでした。パナソニックのテレビのCMに採用されてるみたいだけれど、製菓会社・製菓業界、今回はなぜ?
話はそれましたが、原作も好きだけれど、ティム・バートンの世界に惚れ込んでいる私なので、結果的に上のようなティム礼賛になりました(苦笑)<映画の感想
『ザ・ナイトメア・ビフォア・クリスマス』レンタルしてないんですか。私は今朝この記事を書く前に観ていました。何度観たか分からない。良質のミュージカル映画です。ミュージカル苦手だけれど、これだけは特別。
11/23に再びコレクターズエディションが出るみたいです。どこかで洵さんが観られますように。

  • 2005年09月19日(月)15:55:55
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sugar:>帰ったら本当に家がなかった

と書かれている感想文がありました。そうかな?と思ったのでここに書いてみます。
あのシーンとても象徴的なんですよね。
「もうこんな家出ていってやる!」と出かけたあと家を見たら、自分の家だけがない。「帰るべき家はもうどこにもないんだ」というウィリーの心象風景ですよね。
そして、長い間離れていて訪ねていったときにぽつんと一軒だけあったのは、父親がウィリーが出て行ってからいかにさみしく過ごしてきたか、あれは父親の心象風景なんですよね。
建物としての「家」がこの映画の中ではとてもうまく使われていますよね。チャーリーと家族の壊れかけの家。ラストシーンで降っているのは粉砂糖です、きっと。

  • 2005年09月19日(月)16:36:23
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bonk:み、観たい

私も同じくティムバートン作品の大ファンです。特にナイトメアの世界には魅せられました。
ネタばれは困るので、コメント、追記なるべく目を細めて「とりあえず」スルーしました(笑 
時間がある時に、絶対観にいきます!その後にじっくり読ませてもらいますね。チョコ、実は観にいくつもりでは無かったのですが。いや、sugarさん、洵さん大満足との事ですのでこれは観ないと。

  • 2005年09月19日(月)22:28:31
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sugar:観たいでしょ?観に行きましょう(^^

bonkさんがやっぱりナイトメアファンでしたか。ショップもありますしね。
>ネタばれは困るので
でしょ?でもネタばれなしでは書けそうになかったので、公開一週間は記事を書かないようにしてました。その間は洵さんの記事にも近寄らないようにしていました(笑)。
が、一旦書き始めるともう止まらない(笑)。bonkさんは来月の「コープス・ブライド」狙いだったようですが、その前に是非こちらも楽しんできてくださいな(^^

  • 2005年09月20日(火)02:34:15
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marimozin:まだ見てないが、、、

見てみたいですな。
それにしても、内容の濃いBlogで一気にお気に入りになりました。
よろぴく

  • 2005年09月20日(火)07:56:45
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sugar:気に入った映画の感想を書いて

「観たい」と言われるのはとても嬉しいですね。
marimozinさん、はじめまして、ようこそ。気に入っていただけましたか。また遊びにいらしてくださいね。

  • 2005年09月20日(火)08:22:49
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gachi:見~ま~し~た~(^O^)

妹と共に原作ファンでしたので、
2人でいそいそ出かけてきました。
原作の雰囲気を壊さないまま別味仕立てで楽しめました。
私はイケナイ三十路ですので、
人形の燃えるシーンが「ヤルね」。
ウンパルンパも、ホイップクリームのとこみたいなコネタも家族愛も。どこから食べてもおいしい七色お菓子のような映画で、我が家には珍しくDVD購入を誓った次第。
でも映画館でウォンカバー売ればよかったのに買ったのに。

  • 2005年09月21日(水)20:46:11
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sugar:工場も七色菓子みたいよね。

>映画館でウォンカバー売ればよかったのに買ったのに。
ね!ね!
あの赤いパッケージのウォンカバー。映画館にあったら出てきたひとみんな買うよね!
私も思ったもん。
こんなページ見つけたよー。
http://www.hometownfavorites.com/willy-wonka-candy.htm

  • 2005年09月21日(水)21:24:59
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いゆ:やっとTBさせていただきます(^~^)

なんの見解もなく映画に臨んだわたしですが、
ティムバートン監督の手により[原作]がどう[映像]へと化けたのか、早くソコが知りたくて(>_<)sugarさんのテキストにますます煽られて…なんだかソワソワしてます…(笑

  • 2005年09月25日(日)22:46:49
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sugar:3回目は先越されました(笑)

いゆさん、吹き替え版も悪くないですよ(^^ って次、4回目いきます?(笑)
いゆさんのレビューを読んで、また語りたくなっています、私。

  • 2005年09月26日(月)01:00:29
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いゆ:まだまだ行けますw

思う存分語らっちゃってください★
そしてわたしに新たな知識をください(笑)

  • 2005年09月26日(月)20:31:07
  • URL
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いゆ:ご報告!

こんな記事を発見しました♪
http://sweetsdays.exblog.jp/1831673/

  • 2005年10月05日(水)21:41:48
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sugar:ウォ、ウォ、ウォ……!!

いゆさん、ありがとう。見てきました。どうして日本では……なんでしょうね?
あったら絶対この手にしているはずなのに!

  • 2005年10月05日(水)22:26:11
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http://bittersweetdreams.blog9.fc2.com/tb.php/421-0acca7d7

チャーリーとチョコレート工場

3回めにしてレビュ★ネタバレありですご注意をー!

  • 2005年09月25日(日)22:46:16
  • from シネマフィン*

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