プライベートモードで閲覧中です。

sugar pot : コミックバトンその2 少年少女怪奇もの

ほろ苦い夢のかけらのおすそわけ

スポンサーサイト

--年--月--日(--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
#
カテゴリ:スポンサー広告

trackback

コミックバトンその2 少年少女怪奇もの

2005年08月01日(月) コメント:2 トラックバック:1

コミックバトンに模して、幼い頃読んだ怪奇ものについて書いてみる。些か強烈な内容について記してあるので、了解の上読んでいただきたい。もし、あなたが幼い子どもや、強烈な表現を望まない読者であるならば、上のHOMEをクリックして、トップページにお戻りください。

高階良子『パノラマ島奇談』
月刊少女漫画雑誌『なかよし』では、高階良子が江戸川乱歩作品の漫画化に励んでいた。中でも強烈に印象に残ったのがこれ。花火と共に散るなんて、派手で、うつくし過ぎる。少女の私はそう感じ、乱歩の小説を手に取った。「孤島の鬼」に魅了されたある夏休み。


山上たつひこ『ウラシマ』
夜の学校のプールの、ウラシマの顔の怖かったことと言ったら。(逆に言うとあまりに怖くてこれだけ覚えているといった感じで、ひょっとしたらこれも違う話かもしれない。)

日野日出志『蔵六の奇病』ほか
グロテスクな絵にどぎつい設定。ご存じない方は、虹色のぎとぎとぬめぬめした汁の感触があっちこっちにある漫画を、想像していただきたい。できもの、鱗粉いっぱいの蝶々。そして、当時の高度経済成長期のグロテスクさの象徴、ヘドロ、工場の廃液や排気。奇形の魚や子ども。それらが画面にあふれる日野日出志の漫画を読みながら、私はある種の快感を得ていた。

古賀新一
エコエコアザラクよりももっともっと前。蛭と言えば古賀新一、古賀新一と言えば蛭。蛭に吸われる少女の恐怖の顔が印象に残る。もっとも強烈だったのは、人間を小さくすることのできる能力を持った少年の話だ(タイトルは覚えていない)。ある日ふとしたことで少年はその能力に気付くのだが、それからは周りの人間を小さくしては飼ったり、ときには切り刻んで口に運んだりもした。歯医者の待合室でその作品の載った漫画雑誌を、私はほかのひとに気付かれないようにドキドキしながら読んだ。

楳図かずお『半魚人』
少年を縛り付け、徐々に半魚人へと改造していく話。耳の下を切りえらを作り、指を切り開き水かきを作り、毎日少しずつ水につける時間を長くしていく。「十戒」を思い出させる最後のシーンが未だに印象に残っている。

今と時代が違うとはいえ、こうした内容の漫画が普通にメジャーな少年少女漫画雑誌に掲載されていたのには驚く。当時の読者としては、すんなり受け入れていたが、だからといって、今私が非社会的な人間に育っているとは思えない[1]

だが、時には「回収」ということもあった。

ジョージ秋山の「アシュラ」。冒頭からして蛆のわいた死体を引きずるシーン。芥川の『羅生門』を彷彿とさせる。飢えたその女が自分の息子アシュラを殺して食べようとする、その反社会的な内容から回収、ということになったと記憶している。

私の両親は、私がこのような漫画を読んでいたことは知らない。知っていたら、即、取り上げられただろう。親とは、そういうものだ。そして、子は、親の目を盗んでこっそりと読む。そういうものだ。

今、一般的に異常と思われる犯罪が起きると、メディアはこぞって「心の闇」という言葉を使う。メディアで取り上げられているものの文脈を追ってみると、異常な犯罪を犯すのは心に闇があるからだ、と言わんばかり。

しかし、「心の闇」とは誰もが持つものではないか?ものにはすべて裏と表がある。「心の闇」に共感しつつ、犯罪へ至った道のりの解読を試みなければ、かれらを理解することにはならないし、理解なしにはこうした犯罪への対処はなされたとは言えない。「心の闇」があってはならないものとされる風潮が続く限り、残虐な犯罪は減らないだろう。人間が裏の面をすべて否定されたとき、それが持つ負のエネルギーがどこへ向かうのかを考えてみれば、自ずと理解できる。それは「心の闇」からの復讐だ。

そして、「心の闇」を否定する一方で、その結果引き起こされたとされている残虐な犯罪の、一部始終をことこまかにレポートしたり、視覚的に衝撃の強い画面(路上に残る血痕など)をこれでもかと垂れ流すメディアに触れる今の子どもたち。暴力的なゲームやインターネットだけのせいで、子どもがおかしくなるのではない。現実社会を甘いフィルタリングしかほどこさず、これでもかと無批判的に、時には社会正義の名を借り、時には露悪的に、お茶の間に流すという意味で、ニュースやワイドショーの功罪は大きい。

「闇の部分」は排斥されるものではない。「闇の部分」として、ちゃんと受け入れられるものだ。除菌グッズや逆性石鹸で怪しいものすべてを「消毒」しまくった結果、伝染病に耐性を持たなくなってしまうのと同じように、「心の闇」を否定して隠蔽し続ける社会の行く末は、考えただけで空恐ろしい。懐の広い社会を構築しなければ、子どもも、大人も、まだまだおかしくなっていきそうだ。江戸川乱歩をドキドキしながら読む子どもがいっぱい居る、幸せな時代が理想か。

[1]些か不適応には育ったかもしれないが。

#306
カテゴリ:011 子ども

trackback

<<7月の検索キーワード | 求むテンプレートソムリエ>>

コメント(-2件)

:あっ!

sugarさんの記事は、ツボネタが多すぎてコメントスパム状態になってしまいます(笑)
「パノラマ島」と「蔵六の奇病」、読んだことありますよ…ふふふふ。
ちょうど一年前にこの手の話を書いてたのを思い出しました。
(漫画の内容については書いてないけど)
再掲してこよう♪♪

  • 2005年08月02日(火)12:54:53
  • URL
  • 編集
sugar:コメントスパム

元記事自体がスパムなみに多いので致し方ありません(笑)。どうぞせっせとスパムってください。っていうか。
今考えると、とんでもないものを読んでいたように思うのだけれど、それで残虐になったとか、そういうことはないんだな。時代の気風で済ませるのは乱暴だけれど、少ないながらもいろんなベクトルを向いた情報があって、ちゃんとバランスよく受けていたのだと思う。
そう考えると、今は、情報がたくさんあるようで居て、一方向しか指向していないような感じもあり。やっぱり「良識」ってのは必要だよなぁと思う今日この頃。
いやしかし、昔の漫画、面白かったよねぇ……。書いててこのグロさはエロティックにもつながっていて、子どもながらにそれらも感じていたように思う。「ある種の快感」と上に書いたのもそういうこと。
と、思ったら、今日コンビニで見つけたよ。日野日出志と古賀新一の漫画が収録してある単行本。うー、何がおさめられてるんだろう。次回要確認。

  • 2005年08月02日(火)15:59:28
  • URL
  • 編集
コメントの投稿

トラックバック(-1件)

http://bittersweetdreams.blog9.fc2.com/tb.php/306-91387342

グロいの嫌いでもなかったり

これはちょうど一年前に書いたものを、sugarさんの記事がツボにはまって改変・再掲したものです。参照 / sugar pot:コミックバトンその2 少年少女怪奇ものWEB上での私は、割ときまじめ方面です。ネットマナーとか真面目に考えてみたり、丁寧にお客様を応対したり、シンプ

  • 2005年08月02日(火)13:29:35
  • from ウェビンブログ

Bookmarked

Blog Battler

ブログバトラー

Twitter

    フリーエリア

    上部の説明

    下部の説明

    Utilities

    Ad

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。