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sugar pot : ケン・グリムウッド『リプレイ』

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ケン・グリムウッド『リプレイ』

2005年04月20日(水) コメント:0 トラックバック:0


ケン・グリムウッド『リプレイ』


もしも時間を遡ることができたら、どの時点に還りたいだろうか。




記憶のかけらすら定かではない胎芽の頃か、うす甘い香りに囲まれた赤子の頃か、ススキの穂の下で時間が永遠にあると勘違いしていた学童の頃か。ほのかな慕情の芽生えの時期か。行き場のない衝動をもてあましていた青い時代か。あるいは平々凡々な人生にもいくつか存在するターニングポイントか。

いずれを選べたとしても、完全に満足するやり直しのシナリオはあるはずもない。『リプレイ』は、25年前、18歳の時点に何度も遡り、何度もやり直しをさせられるという設定である。

今際の際にこれで良かったのだと、あるいはあの時こうしていたらと自らの人生を振り返り総括することも許されず、前のシナリオを忘却することも許されない。その状態ですべての起こりうる事態が通過点に過ぎず、ただただ同じ時間軸を未完のシナリオで行き来することは、想像するだけでも酷い。

終わりなき反復は、それがどんなシナリオであったとしても、シジフォスの苦役に等しい。私にもし機会が与えられ、選択できるとしたら、その甘美な誘惑に抗い、凡庸に一度きりの人生を全うしたいと思う。一度くらいはやり直してみてもいいかな(そうしたらあの時点に戻りたい)と思うことはあるが、やはり前の人生が良かったかもしれない、と思うのが厭だからという姑息な理由である。凡庸な人間である私は、与えられた「一度きり」の時間軸の中で、悩んだり失敗したりやり直したりして、最後をむかえたいものだと思う。 さて、私は今際の際にどう思うだろうか?

(『リプレイ』を読んでから15年近く経っているので、話が小説から随分離れた。今回、再読しようと思い、再び購入した。以前の本は、時間の狭間に行方不明になったようだ。)
#20
カテゴリ:003 小説・読み物・出版

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